皆さんこんにちは。
HRマネジメント社会保険労務士事務所です。
全国的に酷暑が続いており、仙台でも熱い日が続いていますね。
今年も暑さのあまり、熱中症予防に、手ぬぐいに保冷剤をしのばせて、首に巻いています!
さて、先日、全ての都道府県で地域別最低賃金の答申が行われたため、厚生労働省から発表がありました。
今回は、「地域別最低賃金」について記載してみたいと思います。
【この記事を最後まで読んでわかること】
✔︎全都道府県をABCの3ランクの分けた引上げ額の目安について
✔︎今後の最低賃金決定までの流れ
✔︎全国の加重平均額
この度、中央最低賃金審議会より、令和7年度の地域別最低賃金額改定に関する答申が発表されました。これを受け、各都道府県の最低賃金が改定される見込みです。
●目安額のポイント
• 目安額:各都道府県の引き上げ額の目安は、Aランク63円、Bランク63円、Cランク64円と示されました。
• 全国加重平均:目安通りに改定された場合、全国加重平均は1,118円となります。これは前年度の上昇額(51円)を上回り、昭和53年度の目安制度開始以降で最高の引き上げ額です。
• 引き上げ率:全国加重平均の引き上げ率は6.0%(前年度は5.1%)に相当します。
●都道府県別の目安額
各都道府県は経済実態に応じて3つのランクに分類され、目安が提示されています。
• Aランク(6都府県):
埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪(引き上げ額:63円)。
• Bランク(28道府県):
北海道、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、福岡(引き上げ額:63円)。
• Cランク(13県):
青森、岩手、秋田、山形、鳥取、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄(引き上げ額:64円)。
●過去の最低賃金引き上げ額の推移
過去10年間の全国加重平均額と引き上げ率の推移は以下の通りです。
年度 | 時間額(円) | 対前年度引き上げ額(円) | 前年度比(%) |
平成27年 | 798 | 18 | 2.31 |
平成28年 | 823 | 25 | 3.13 |
平成29年 | 848 | 25 | 3.04 |
平成30年 | 874 | 26 | 3.07 |
令和元年 | 901 | 27 | 3.09 |
令和2年 | 902 | 1 | 0.11 |
令和3年 | 930 | 28 | 3.10 |
令和4年 | 961 | 31 | 3.33 |
令和5年 | 1,004 | 43 | 4.48 |
令和6年 | 1,055 | 51 | 5.08 |
※上記の表は、適用労働者数による全国加重平均額です。
●答申で示された最低賃金引き上げに向けた政府への要望
今回の答申では、最低賃金の引き上げを円滑に進めるための環境整備について、政府への強い要望が示されました。これは、中小企業・小規模事業者が継続的に賃上げできる環境を整えることが、労使双方にとって共通の認識であるためです。
主な要望内容は以下の通りです。
• 生産性向上支援の強化:業務改善助成金、キャリアアップ助成金、働き方改革推進支援助成金などの拡充や周知徹底が求められています。また、「中小企業・小規模事業者の賃金向上推進5か年計画」の着実な実行や、経営強化税制などのインセンティブ制度を通じた賃上げの後押しも要望されています。
• 価格転嫁対策の徹底:公正取引委員会と中小企業庁・業所管省庁との連携体制を早期に構築し、価格転嫁の執行体制を抜本的に強化することが求められています。特に、価格転嫁率が低い業種を中心に、業種別のGメン等を通じた取引環境の改善を広げることや、BtoC事業における消費者への理解促進も要望されています。
• 「年収の壁」への対応:「年収の壁・支援強化パッケージ」の活用促進が要望されています。
• 行政における配慮:年度途中の最低賃金改定によって、業務委託先での最低賃金確保に支障が出ないよう、行政機関が発注時に特別の配慮をすることも要望されています。
●今後の最低賃金決定の流れ
地域別最低賃金額は、中央最低賃金審議会の答申を経て、以下のプロセスで決定されます。
1. 地方最低賃金審議会が、中央最低賃金審議会の目安を参考に、地域における賃金実態調査や意見聴取を踏まえた調査審議を行います。
2. 地方最低賃金審議会から答申が行われます。
3. 各都道府県労働局長が、この答申を受けて地域別最低賃金額を決定します。
正式な決定内容が発表され次第、改めて当サイトにてご案内いたします。
私たちHRマネジメント社会保険労務士事務所では、最低賃金の改定にともない、働く方の給与が最低賃金を下回っているか否かだけでなく、労務管理がスムーズになる社内体制や手続きフローなども一緒に「考え・ご提案し・サポート」させて頂きます。総合的にサポートさせて頂きますので、お気軽にご相談くださいませ。
【参照元】
① 令和7年度地域別最低賃金額改定の目安について(厚生労働省 令和7年度地域別最低賃金額改定の目安について)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_60788.html